<interview>
textur3 features vol. 1|神聖かまってちゃん
2024年夏、「textur3 label night」のステージ。あの夜、彼らがフロアに刻みつけたヒリつくような残響は、今も消えることなく私たちのなかに在り続けている。そして一年後、初となる海外ツアーがいよいよ現実のものとなる。textur3 features vol. 1|神聖かまってちゃん
2008年の結成から17年、これまでに11枚のアルバムを世に送り出してきた神聖かまってちゃん。彼らは、インターネット以降のポップ・ロックを定義し続けてきた。フロントマン・の子(Vo/Gt)という表現の核を中心に描かれるのは、不協和音と美しさが交錯する独自の世界。散らばった感情の断片や、マジョリティの物語からこぼれ落ちてしまう繊細な側面を、彼らは剥き出しのまま提示し、社会が見落としてきた孤独や切実な感情をすくい取っていく。
ライブという名の「嵐」が、ふたたび中国の日常を席巻する直前。
最新作『団地テーゼ』の背景から、「今、バンドを鳴らすこと」の意味に至るまで。2025年という時代に、彼らがなおも音を紡ぎ続けるその衝動の正体を、掘り下げてみた。
(2025年5月 実施 / 2025年5月30日 公開)
最後の反撃、 いつか終わる夢、
堕落と灰を掻き集めた 自己の救済
の子:最初に描いた風景から一歩も逸れていませんでしたね。
ユウノスケ:僕にとっては初めてのアルバム制作でもあったので色々と模索はしました。
みさこ:特にないんじゃないかと思います!
textur3 :今回のアルバムのジャケットイラストには、白い背景にくらやえみ先生の作品が描かれており、アルバムデザインとしては少し珍しいかと感じます。 デザインのコンセプトやこのアイディアが生まれた背景を教えてください。
の子:くらやえみさんの絵には、昔から心を奪われていました。 いつか一緒に何かを形にしたいと、密かに夢見ていたんです。
「団地テーゼ」の世界に、彼女が過去に描いた一枚が、不意にぴたりと重なって、 まるで運命みたいに、そこにありました。
noko:夜の団地を吹き抜ける風の音です。
textur3:2023年にはバンド結成15周年を迎えられました。の子さんにお聞きしますが、結成から5年区切りで今までそれぞれ最も驚いたこと、または忘れられない出来事はなんですか?
の子:あまりにもあまりにも多すぎて、記憶が渋滞します。 とりあえず自分の才能やセンスにいつも驚きます。
の子:歌詞ですね。 もう10年前から、自分の中に残ってる言葉なんてほとんどなくて。 干からびた雑巾を、それでもなお絞るような日々。その数滴って感じ
ユウノスケ:の子さんのデモに対してこれはそもそもベースを入れる必要があるのか、入れるとしてどう いう音とフレーズを入れればいいのかというところはたくさん考えました。
textur3:ユウノスケさんが正式加入してから、この5月で丸1年になりました。 この間にはアルバム制作や、上海公演を含めたライブ活動もたくさんありました。 現体制になって、メンバー皆さんが「バンドとは何か」についてどう捉えているか、 教えてもらえますか?
の子:最後の反撃、いつか終わる夢、堕落と灰を掻き集めた自己の救済。
mono:自分の人生そのものですかね。
みさこ:ドラムという立場だとベースとツーカーになるのがベストですが、時間をかけて徐々にそうなってきているかなという感じです。好みや雰囲気の作り方、盛り上げ方やフレーズ作りの個性など、なるべくベースに沿えるようになってきてるといいなという。バンドとは、という話になると志を共にしたチーム、かなあ。
の子:美味い飯と、心が死なない場所。 録音よりも「どこで生きてるか」の方が、ずっと大切です。環境保護絶対!
mono:ノーコメント 。
ユウノスケ:先程の質問の回答と少し被る内容にはなってしまうのですが、曲ごとのベースの最適解を 色々と模索はしました。具体的な話をすると、敢えて宅録で録ったり、コンプやプリアンプの 使い方を色々試したりはしました。
みさこ:プレイもありつつですが、曲の世界観に没頭できるような音作りを心がけました。
textur3:ライブでは毎回「燃え尽きてしまうのでは」と心配するほどのエネルギーで観客を圧倒しています。2025年の今、バンドにとってライブの存在はどんな意味を持っているのか、 お聞かせください。
の子:意味なんて考えない。 ただ、自分の夜を、究極の夜に変えて、すべてを叩きつけて、終わらせるだけ。
mono:最大限、目の前のお客さんに勇気や元気を与える気持ちでやっています。
ユウノスケ:楽しい事です。もちろんそれだけでは無いですが。
みさこ:内臓にまで響く音を浴びてもらいつつ、お客さんの声や表情にも曲の行方が左右される、 すごく“今”を瞬間で生きる感覚がもらえるものです。次はみんなどう出るかと神経を研ぎ澄ましながら、それを活かすために自分の今までを出して、その時にしか作れないものを誰かと作る場所です。
の子:ないです。神聖かまってちゃん自身が作品です。
mono:わがままな答えではありますが、一曲に絞れないので全部聴いてほしいですね。
みさこ:「イマドキの子」 。
Produced & Coordinated by:Zing
Text & Edit:neciak
Photography:MAY、キョートタナカ、真島洸 (Cuon)
Design:10000
textur3 2024-2026