凡木 fanmu
1. 兆 (きざし) [INSIGHT]
Q:「何かが変わる、新しい何かが始まる」を覚えた瞬間、ムーブメント、あるいは音楽作品。A:2025 年 12 月 27 日、杭州のバンド The Beneficial Society のラストライブ。
現地には行けなかったが、翌日に前夜のライブ映像をチェックした時、込み上げるものがあった。これは一つのバンドの終わりではあるけれど、同時に全く新しい風景が今始まったばかりなのだとも感じられたから。
自分がロック音楽に触れ始めた頃、インターネットを通じて聴いていたのは、ブリットポップやガレージロックリバイバルだった。あの数々の名盤や伝説的な名前、その時すでに起こってしまったムーブメントであり、私にとっては何の実感もない遠い国々のものでした。
それから20 年が経ったまさに今、上海や杭州、そして中国の各地で、シューゲイズ/エモのムーブメントが進行している。
新しいバンドの登場にとどまらず、DIY音楽レーベルの立ち上げ、様々なフォーマットでの音源リリース、テーマごとに組まれたコンピレーションライブやミニ・音楽フェス、さらには海外ツアーまで。
今挙げたすべてが今この瞬間に起きている、ということをはっきりと実感できる。
2. 韻 (のこる) [ENERGY]
Q:熱量だったり一体感などに、心底圧倒された 2025 年の現場光景。A:5 月に行われた渋さ知らズの上海ワンマン公演。
彼らを見るのはすでに 3 回目だったが、今回はこれまでで最も大所帯の編成だった。演奏楽曲がクライマックスに差しかかるたび、ステージ上で命を削るようにパフォーマンスする彼らの姿に心を打たれ、思わず何度も目頭が熱くなった。
3. 拓 (ひらく) [PERSPECTIVE]
Q:年間を通して出会ったあらゆる表現の中で、視野を広げてくれたり、良き刺激もらったもの。A:この時代の只中に身を置いて、実を言うと、自分の思考や認識は多くの場面で非常に混沌としていると自覚しているし、それが果たして広がっているのかどうかも分からない。
そんな中、一つだけわかりやすくおすすめなのが、米国のドラマ『ザ・ピット』。この作品を通して気づかされたのは、自分がプレッシャーと思っていたものは、他人にとっては 24 時間続く日常の一コマに過ぎないのかもしれない、ということだった。
4. 伴 (あいぼ) [TOOL]
Q:ハードな現場、日常、執筆など支えてくれたり、「一緒に戦ったな」と思う2025年の「相棒」。A:新しくBluetoothイヤホンを買って、ようやく以前使っていたイヤホンの接続バグから解放された。毎日の通勤時間をずっと一緒に過ごしてくれている(でも、今日うっかり充電ケースを紛失してしまった……)。
5. 芯 (どだい) [CONTINUITY]
Q:時代の激流の中で、これだけは守り抜いた「自分なりのルーティン」。A:僕は今も、様々な音楽ドキュメンタリーやバンドの伝記を掘り下げて追いかけることに強い関心がある。音楽の背景にあるストーリーを知ることで、音楽そのものをより深く理解したいと思っている。
一年の余韻を胸に、私たちは2025年の足跡を振り返ります。本プロジェクト『Traces』には、国境や言語を越え、アジアを横断する音楽家とその歩みを支える共鳴者たち、総勢30名超が集結しました。
5つの漢字に託された、私たちが大切にしてきたもの。
個々の記憶に深く宿るぬくもりをアーカイブし、リスナーや読者へと届けていく。
The Artists:
「響、景、航、触、律」
The Pro-Voices:
「兆、韻、拓、伴、芯」
正解のない、不安な時代だからこそ。
この言葉たちが、小さくともしなやかな「可能性」の種となることを願って。
分断を越え、新しい時代の「輪郭」を、共に手繰り寄せるように。
5つの漢字に託された、私たちが大切にしてきたもの。
個々の記憶に深く宿るぬくもりをアーカイブし、リスナーや読者へと届けていく。
The Artists:
「響、景、航、触、律」
The Pro-Voices:
「兆、韻、拓、伴、芯」
正解のない、不安な時代だからこそ。
この言葉たちが、小さくともしなやかな「可能性」の種となることを願って。
分断を越え、新しい時代の「輪郭」を、共に手繰り寄せるように。
Curation:Zing
Edit:neciak
Design:10000
Edit:neciak
Design:10000
インディーミュージック・ラバー / 元ライブ業界従事者
textur3 2024-2026