1. 兆 (きざし) [INSIGHT]
Q:「何かが変わる、新しい何かが始まる」を覚えた瞬間、ムーブメント、あるいは音楽作品。A:昨年は本当に多くの音楽的な動きがあり、様々な方向性を観察できたと思う。ただ、それらがどんな路線の変化として結実したかを全体的に把握できたのは、年間レビューをまとめている時だった。例えば、ニュー・メタルやハードコアシーンの素晴らしさが注目を集め、ハードコアファンやメタルヘッドたちが息を吹き返す時代が来たと感じさせたこと。また、yeule、Jane Remover、kinoue64といったデジコア系アーティストの作品が成熟し、エレクトロポップの新たな収穫期を迎えたこと。さらに興奮したのは、下北沢系の新しいバンド群の台頭で、その勢いは先輩たちにも引けを取らないものだった。どれも心躍る動きで、昨年の年間ランキングを選ぶ際にも、これらの観察結果を反映させた。
2. 韻 (のこる) [ENERGY]
Q:熱量だったり一体感などに、心底圧倒された 2025 年の現場光景。A:迷わず、年明け早々に私たちが主催した最初の公演——「ミッドナイトピンポン」を選ぶ。彼らは長年活動してきたが、実はこれが初の単独公演だった。彼らの爆発的なエネルギーは、サラリーマンとなった私の身体に、若き日に真夜中を駆け回った愉快な記憶を無意識に呼び覚ましてくれた。誇張ではなく、彼らの音楽はまさに“最上級の若返り薬”だった。
3. 拓 (ひらく) [PERSPECTIVE]
Q:年間を通して出会ったあらゆる表現の中で、視野を広げてくれたり、良き刺激もらったもの。A:私は自分自身をかなりの映画中毒だと思っていて、2025年には約330本の映画を観た。映画の素晴らしさの一つは、前景や背景を使って、重要ではないが観客に知ってほしいこと——例えば環境、服装、天気——を伝えられる点だと思ってきた。文章で表現するなら、わざわざ言及しなければならず、文章表現には「ある」か「ない」しかない。ずっとそう考えていた。
しかし、呉明益さんの『苦雨之地』を拝読し、文章表現にも映画では再現できない独自の魅力があると気付かされた。私はそれを「内容再現の相互テキスト性」と形容したい。簡単に言えば、同じ一文が異なる文脈で全く違う意味を持ちながら互いに結びつくことで、まさに私の視野を大きく広げてくれた。皆さんにも一度読んでみてほしい一冊。
4. 伴 (あいぼ) [TOOL]
Q:ハードな現場、日常、執筆など支えてくれたり、「一緒に戦ったな」と思う2025年の「相棒」。A:ライブ会場に頻繁に足を運ぶ私は昨年、チームと共に自社デザインのショルダーバッグを製作した。私たちはそれを「勁東西三號識你Bag」と呼んでいます。欧州ツアー、Oasisの復活ライブ観戦やClockenflapにも携行し、その便利さと実用性は十分だった。自分の虚栄心を満たしつつ、実用的な機能も兼ね備え、間違いなく昨年のベストアイテムと呼ぶのに相応しい。
5. 芯 (どだい) [CONTINUITY]
Q:時代の激流の中で、これだけは守り抜いた「自分なりのルーティン」。A:私には一冊のノートがある。そこには毎日、これまで聴いたことのないアルバムを一枚聴き、制作情報、スタイル、感想をこのノートに記録。これを10年以上続けている。
後に、この執念とも言うべき習慣にぴったり合う言葉を耳にした。「美意識は歯磨きのように、日々の衛生習慣であるべき」というもの。全くの同感で、美意識は手の届きにくいものであってはならず、日常的に続けることで初めて、私たちの美的感覚は保たれるのだと思う。
一年の余韻を胸に、私たちは2025年の足跡を振り返ります。本プロジェクト『Traces』には、国境や言語を越え、アジアを横断する音楽家とその歩みを支える共鳴者たち、総勢30名超が集結しました。
5つの漢字に託された、私たちが大切にしてきたもの。
個々の記憶に深く宿るぬくもりをアーカイブし、リスナーや読者へと届けていく。
The Artists:
「響、景、航、触、律」
The Pro-Voices:
「兆、韻、拓、伴、芯」
正解のない、不安な時代だからこそ。
この言葉たちが、小さくともしなやかな「可能性」の種となることを願って。
分断を越え、新しい時代の「輪郭」を、共に手繰り寄せるように。
5つの漢字に託された、私たちが大切にしてきたもの。
個々の記憶に深く宿るぬくもりをアーカイブし、リスナーや読者へと届けていく。
The Artists:
「響、景、航、触、律」
The Pro-Voices:
「兆、韻、拓、伴、芯」
正解のない、不安な時代だからこそ。
この言葉たちが、小さくともしなやかな「可能性」の種となることを願って。
分断を越え、新しい時代の「輪郭」を、共に手繰り寄せるように。
Curation:Zing
Edit:neciak
Design:10000
Edit:neciak
Design:10000
2013 、香港のネットユーザーたちが集まり発足した組織。
当初はオンラインプラットフォームで好きな音楽をシェアするだけだったが、それでは飽き足らず、自分たちの好きなアーティストたちを直接現地に招いて公演を行うようになり、次第に「興味」を優先するオーガナイザーへと転じた。
また、自分たちの聴きたい欲求を満たすために、アーティストたちに音楽制作を促し、時にせっつくことも多いため、「音楽テロリスト」という異名を持ち、その悪名を轟かせている。
textur3 2024-2026