志磨遼平  (ドレスコーズ)

 




1. 響 (ひびき) [SOUND]

Q:2025 年、世界のノイズに塗りつぶされることなく、心に深く、静かに突き刺さった「音」。

Aイ・ラン(Lang Lee)『オオカミが現れた』

心に深く沈んだ激や、我々の世代に続く歴史の轍をひたすらに見つめながら、ユーモアまじりに歌われる姿を見習っています。秋におこなわれた日本公演も素晴らしいものでした。




2. 景 (ひかり) [MOMENT]

Q:誰かと、あるいは自分自身と「繋がった」と感じた 2025 年のライブ光景。

A:僕にとって初めての海外単独公演が、この夏に textur3 と開催した上海公演でした。ステージに投げ込まれた花、棚を越えて取り合った手、終演後に交わしたたくさんの言葉を僕はこの先もずっと忘れません。



3. 航 (わたる) [FICTION]

Q:年間を通して、創作の糧、あるいはメンタリティ座標となった作品。

A:アッバス · キアロスタミ『桜桃の味』。

誰もが抱える苦悩に寄り添い、人生の素朴な美しさを説いてくれる映画です。エンディングまで貫かれるその人間愛はまさに心の座標です。



4. 触 (ふれる) [MATTER]

Q:制作や日常生活に温かさを与えてくれて、身体の一部のように馴染んだ「モノ」。

A:BIC のライター。

日本はどこでも手に入る透明の薄いライターがどうも好きになれず、BIC を見つけるたびに 2 つずつ買っています。しかし、飛行機に乗るたびに余分を没収されてしまうのが困りものです。





5. 律 (リズム) [CONTINUITY]

Q:激しく動く時代の中で、変えずに続けてきた「自分だけの儀式」。

A就寝前にワインを飲むこと。

アルコールは人生にリズムを与えてくれます。途切れることなく続く日々に、仕事と休息、緊張と緩和、マクロと望遠といった強弱が生まれるのです。









一年の余韻を胸に、私たちは2025年の足跡を振り返ります。本プロジェクト『Traces』には、国境や言語を越え、アジアを横断する音楽家とその歩みを支える共鳴者たち、総勢30名超が集結しました。

5つの漢字に託された、私たちが大切にしてきたもの。
個々の記憶に深く宿るぬくもりをアーカイブし、リスナーや読者へと届けていく。

The Artists:
、景、航、触、律」

The Pro-Voices:
「兆、韻、拓、伴、芯」

正解のない、不安な時代だからこそ。
この言葉たちが、小さくともしなやかな「可能性」の種となることを願って。
分断を越え、新しい時代の「輪郭」を、共に手繰り寄せるように。


Curation:Zing
Edit:neciak
Design:10000





志磨遼平
the dresscodes (ドレスコーズ)
作詞作曲家、文筆家。和歌山県和歌山市出身。



textur3   2024-2026