玉井裕規 (dublab.jp)




1. 兆 (きざし) [INSIGHT]

Q:「何かが変わる、新しい何かが始まる」を覚えた瞬間、ムーブメント、あるいは音楽作品。

A更新されつづける環境音楽

私が運営するdublab.jpで近年取り組んできた、80年代から紡がれる日本の環境音楽の文化を現代に新しく提示したい、というコンセプトから制作した「KANKYO DOT」というサウンドインスタレーションがあります。この作品をフェスティバル EACH STORY ~THE CAMP~ 2025の森の中で展示した際の、一定のルールでデザインされたサウンドと自然界の偶然性が重なり合うことで生まれる「更新され続ける響き」に様々な可能性を感じていました。




2. 韻 (のこる) [ENERGY]

Q:熱量だったり一体感などに、心底圧倒された 2025 年の現場光景。

A:Oswalds Mill Audioの音

近年、日本でもリスニングイベントが増えてきた感がありますが、11月に開催されたオーディオテクニカ主催のイベント「Analog Market」で国内では初披露となったOswalds Mill AudioのPROMAというオーディオシステムでのリスニングは、今までの経験を超えていました。まさに音と一体となったような記憶と余韻があります。





3. 拓 (ひらく) [PERSPECTIVE]

Q:年間を通して出会ったあらゆる表現の中で、視野を広げてくれたり、良き刺激もらったもの。

A:A Charity Compilation in Aid of the 2025 LA Wildfires -resilience-

特定の作品ではありませんが、昨年年初に起こったロサンゼルスの山火事被害へのチャリティで制作したコンピレーションには、本当に素晴らしいアーティストの作品が寄せられ、そのすべての作品と連帯の精神には感銘をうけました。一年経った最近の報道でも、化学物質による二次被害など、公衆衛生の観点で問題を残していると伝えられていますし、我々の仲間を含む、被災した多くの人達の生活も元には戻りません。引き続き、微力ながらこのアルバムが支援に繋がればと思っています。





4. 伴 (あいぼ) [TOOL]

Q:ハードな現場、日常、執筆など支えてくれたり、「一緒に戦ったな」と思う2025年の「相棒」。

A:Kalamazoo KG-14

こどもの頃から弾いているギターは日々の癒やしとなっています。昨年は、ボロボロだった1930年代の古いKalamazoo KG-14というギターをずっと修理していて、ようやく鳴るようになったのが年末。理想の音を鳴らすギターになりました。一年を通じてこのギターの修理と戦っていた、ともいえますが。






5. 芯 (どだい) [CONTINUITY]

Q:時代の激流の中で、これだけは守り抜いた「自分なりのルーティン」。

A:娘との保育園の往来

様々な意味でルーティンなき人生を送ってきましたが、4歳の娘を保育園に送り迎えする時間は、いまでは貴重なルーティンといえます。昨年から急に生意気になった娘との会話は、実は仕事にも様々な影響を与えてくれているかもしれません。









一年の余韻を胸に、私たちは2025年の足跡を振り返ります。本プロジェクト『Traces』には、国境や言語を越え、アジアを横断する音楽家とその歩みを支える共鳴者たち、総勢30名超が集結しました。

5つの漢字に託された、私たちが大切にしてきたもの。
個々の記憶に深く宿るぬくもりをアーカイブし、リスナーや読者へと届けていく。

The Artists:
、景、航、触、律」

The Pro-Voices:
「兆、韻、拓、伴、芯」

正解のない、不安な時代だからこそ。
この言葉たちが、小さくともしなやかな「可能性」の種となることを願って。
分断を越え、新しい時代の「輪郭」を、共に手繰り寄せるように。


Curation:Zing
Edit:neciak
Design:10000





玉井裕規|YUKI TAMAI

Founder epigram inc.
Executive Director dublab.jp




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